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第1654回 通常例会


本日のプログラム : 青少年奉仕委員会 卓話

○会長挨拶

・本日のゲストを紹介します。  有限会社ユニオンメディカルサービス 代表取締役 中山 美佐子 様 (医療法人社団 豊志会 肛門科なかやま病院 理事/コミュニティ・レストラン「とーくる」店主)

○卓話 「子ども食堂から見えたこと」   有限会社ユニオンメディカルサービス 代表取締役 中山 美佐子 様

 はじめまして。自己紹介をさせていただきます。主人が30年程前に肛門科なかやま病院を開業しましたが、2006年に他界しました。それをきっかけに、2007年に北星大学社会福祉部に入学し、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得しました。2011年、同大学卒業後大学院に進み、同時に、肛門科なかやま病院にてよろず相談室を開設し患者及び地域住民の相談援助、福祉サービスの情報提供などを行うようになりました。2013年に社会福祉修士課程を修了しましたが、修士論文は「地域コミュニティ形成に果たす共同住宅のあり方」であり、その一環として、翌年、コミュニティ・レストラン「とーくる」を開設することとなりました。また、その翌年にこども食堂の運営を開始しております。  こども食堂についてですが、2018年4月で全国に2,286箇所、北海道は113箇所あると言われています。現実的にはもっと多くあるものと思われます。これだけ多く爆発的な広がりを見せた背景として、子どもの貧困問題があります。共働き世帯の増加などで満足な食事を食べられない子どもや一人で食事をする「孤食」の子どもたちが増加したからです。先進国の中で、日本は最も遅れています。  ここで、「とーくる」の取り組みを紹介させていただきます。最初に「地域食堂」を開設したのは、地域の人々が気軽に集い交流する居場所作り、また私の資格を活かして地域の悩みや愚痴を聞いてあげたり解決できる場所の提供、安全で健康的な食事の提供、高齢者の一人暮らしの方の見守りや安否確認、および相談援助を役割としています。一人暮らしの高齢者のお宅にお弁当を持っていきますが、心配なのは熱中症です。ですので、お弁当を手渡しする際に、顔を見て、様子を必ず見るようにしています。認知症の方もいますから、家の中のエアコンのお世話もすることがありました。この地域食堂が果たす役割は他にもまだたくさんあるように思っています。  子ども食堂については、こどもの居場所作りや安全で健康的な食事の提供ということになりますが、子ども食堂だからといって子どもが好むメニューばかりではありません。これは食育にも通じるものと考えています。  これまで地域食堂、子ども食堂をやってきて見えてきた地域の課題についてですが、高齢者に限らず、年代に関係なく単身世帯が多いことです。特に男性が多いです。そういう方は、友人も少なく孤独な方が多いという印象です。そういう方も、何度か通ううちに話も増え冗談を言うようになった方もおります。また、一人でご飯を食べなくてはならない子どもの存在です。その子も、次第に来てくれる回数が増え、夏休みなどには朝から来てくれて手伝いなどをしてくれる子もいます。そういう子どもたちが現実にいるということを実感しました。  「とーくる」の課題ですが、本当に必要にしてくれる人に届いていない。生活保護の子どもとか親のいない子が来ているかと言えばきていません。現実には、親と一緒にくる子が大半です。現実的にはラインは引けませんが、本当に必要としている方や子どもたちに届けたいなと考えています。  運営費の不足は深刻です。できる限り安心な食材を使用したいため、原価率は高くなります。無農薬や化学調味料を使っていないものを使うなどです。また、人件費はボランティアに頼っているのが現実で、その点も厳しい状況です。あと、後継者不足の問題です。現在のスタッフの平均年齢は70歳前後であり、後継者がいないのが現状です。現在、後継者を探しているところです。  「とーくる」の関係機関と連携先ですが、町内会、民生委員、児童委員、福まち、まちづくりセンター、社会福祉協議会、包括支援センター、介護事業所、あと民間の会社関係、近隣の小中学校や幼稚園となります。  最後になりますが、昔の神社やお寺が地域のコミュニティの場となり、支えあいや助け合いの「互助」の精神があったように思います。しかし、近年では人々の価値観やライフスタイルの変化によって、人との関係が希薄となり、地域のつながりが弱体化していると思います。それは、結果として安心・安全なまちでは無くなってきているということだと思います。  子どもたちも、今は大人が近くにいないと安心して遊ぶことができない環境になってきています。そのために、地域を安心・安全なまちにしていくためには人と人とが繋がっていくことが重要だと思っています。そのためのツールとして、地域食堂や子ども食堂があればいいかなと思っています、ただ、地域の中にある食堂なので、やはり地域住民の理解と支えが無ければ私たちはやっていけません。地域の中で子どもたちや地域住民の方と交流しながら、お互いに互助の精神が少しでも培われればいいなという思いを込めながら日々やっております。ご清聴ありがとうございました。

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